カラスとハトのはなし
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自宅を工房に住み直してもうすぐ4年。ようやく家族3人がここの暮しにも慣れてきた。
私たちはモーネのためだし何のそのだけど、80代の井上の母がこの4年を乗り切ってくれてほんとうに感謝。それで、ずっと行きたがっていた『西国三十三カ所巡りの旅』を井上の母にプレゼントすることにした。私はお供するサル役だ。
今月は和歌山県南端の那智の滝にある「青岸渡寺」。480段の階段をあがる途中にこんなかわいい木製の八咫烏(やたがらす)を発見してカラスの形がたまらなくかわい~いとパチリ。


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一方、実家の母は脳出血で倒れてから5年が過ぎた。いつも笑顔を見せてくれていたけれど会話はうなずくか言葉をひとつ喋るのがやっと。1時間前に食べた食事の内容も言えない5年間だった。でも、去年行った4度目の富士山の旅から戻った頃から口数が多くなってきた。クリスマスイブに入院してまた振り出しに戻るのかと心配したけれど、退院してからは増々会話力がすごくなって、工作所は「富士山の旅が1やとしたら今は100以上やな」と言ってくれたほど。母にインタビューすると「頭の中の霧が晴れたみたい」と言う。理由はわからないけど冗談まで言う昔の母が戻ってきてくれた。

そして、ちょっと笑えるハトの話。
実家の台所に何十年も架かっている鳩時計の針は動いててもハトは鳴かなかったのに、母の会話力と同じように最近また鳴き始めた。12月頃は「グエッグエッ」っていうおかしな音だったけど、今はメロディに少し聞こえるようになってきた。しかも毎回13分過ぎに鳴くのが間抜けだけど、何だか一生懸命な感じが伝わってくる。

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みんなに紹介しようと撮影したら、おちょぼ口で立ち姿がキュートなハトだと初めて知った。この音痴で13分遅れの間抜けなハトが母と私を大笑いさせてくれる。ハトの大ファンになってしまった私は、実家に行かない日は一日に何度も母に電話をして、もちろん毎回「ハト元気?」と聞くのが日課になっている。


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井上の母から西国巡りのお土産で梅干しをもらった実家の母。西国も四国も何度も巡拝しているのでぐっと心が動いたみたいで手紙を書いてくれた。きっと一言しか書けないだろうと思ったが便箋に梅干しの栞を貼って渡したら5年ぶりにこんなに沢山の字を書いてくれた。「おかあさ〜ん、ほんとうにすごいよ!!!」と思わずハグハグ。
ハトの鳴き声もまた上手くなってゆくかなぁ…なぁんて。
by maane-news | 2014-01-31 13:15
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