父の切り紙
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カラフルなカードの魚。「色に合わせて魚を貼ってね」という私。「適当に上から順番通りに貼ったぞ」と父。重ねた紙の上から順番で貼ったと言うけど、綺麗なカードがいっぱいで、ちゃんと台紙と魚の色の組み合わせを考えたに違いない。

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カラフルカードの次に出していた宿題は『クジラとイルカ』。魚ではなくてほ乳類だけど、海にいる生き物ということでいいことにした。最初、書き添えてもらう名前が英語だとかっこいいと英語版の図鑑を買って渡したら、父は、読めない、名前のわからない魚は切り抜く気になれないと突き返された。慌てて日本語版の同じ図鑑を買って渡したが、刺激の仕方、宿題の出し方も時には失敗も。

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『クジラとイルカ』が切って貼っられた黒いノートが一冊出来上がったが、どうも形が簡単すぎて、父はあまりおもしろくなかったようだ。二年半続けてきた切抜きの腕には、ツルツルスベスベのイルカやクジラの形は切り抜く醍醐味がないという。

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よし、こうなったらと、いろんな魚の図鑑を探して注文した。届いたのは『カニ図鑑』と『イカ・タコ識別図鑑』の変化球2冊と『釣魚1400種図鑑』と『魚の分類の図鑑』の直球2冊。宅急便で父に送ったら、早速電話で「ようけあるぞ」と。これは「この試合受けて立つ」という返事だと思った。お父さん、私も負けずに手を抜かないからね。

一ヶ月半ぶりの父の切り紙のニュース。暑さと母の介護で、父の体力と気力がほんとうになくなってきていて、切り紙の回数を減らしたりいろんな工夫をしてみたけど、体の老いはどうすることも出来ないと思った。
父からSOSの電話があって実家に駆けつけた日、こどもの時以来で父の横で寝た。そのことは、父に私の想いは届いたと思うし、父の心の声を聞くことができて、交わす言葉は少なくてもじっくり話せた一日になった。やっぱり、父にとっては切り紙が生き甲斐になってると強く感じた。心のサポートは工夫できると信じて、私はもう迷わず父に宿題を出し続けようと思う。
by maane-news | 2011-08-03 12:30
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